BOOK&

小説、エッセイ、たまに哲学。マイペースに読み進めてます。

加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

 夏に読書会で紹介されて、買ったもののテーマが重くて秋になるまでそっと本棚に置いていた。三連休で時間があり、読み始めたら一気読みだった。

 

日本人は、ってあるから一般の国民感情が戦争につながったのかと思っていたら、その面はあまりなくて、権力サイドの意思決定に誤りがあったという読み解きだった。

ストーリーとして開戦までの流れを追うことができてこれまで点と点だったものが結びついた。

 

 

政権も与党と野党で一枚岩でなく、軍部でも派閥があって、

国際情勢はどんどん変わっていっていて、という複数の要因があって

太平洋戦争に突入したんだなぁということを知った。

 

前線の食糧補給の計算をしていなかったり(国内での農業生産量や現地での補給体制など)、アメリカの飛行機生産能力の増大を予想できていなかったり、致命的な見逃しがあったという。希望的観測と事実に基づいた戦略の間にある溝ってすごい大きい。

 

権力サイドの希望的観測がどういったものだったのか知ることができたのも勉強になった。

 

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

 

 

<驚いたこと>

満州を拠点にロシアを狙いたい軍部の侵略意図を隠し、国民へは正当な支配権のある満州の権利が奪われたから取り戻すという訴えをしていた。

・村ごと満州へ移民させるため、対応してくれた県に助成金を支給