tunamayoの日記

小説、エッセイ、経済書を中心に日々こつこつ。積読との戦い。

川端康成「千羽鶴」

うーん、三島が意識的な変態なら、川端康成ナチュラルな変態だなと思う。流れるような自意識で、さらりとして侘び寂びを感じる文体。わたしはとっても好きになった。そんな中、話がぶつりと終わってしまったので、呆然となった。

解説を読むと、九州取材旅行中に取材ノートを盗まれてしまったようで、続きの情景を描き出せなかったとのこと。。

トーリーを楽しむというより、瞬間の心の動き、茶器と人の重なりあいを鑑賞する淡い読みものなので、さほど未完成さは目立たない。四季に囲まれた日本家屋と独身貴族の若い男性という余白のある設定もよいですなぁ。

結婚の世話を焼くおせっかいおばさんの来歴とたくらみが「動」であとはひそやかな陰翳礼賛の世界。

 

 

千羽鶴 (新潮文庫)
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