読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

tunamayoの日記

小説、エッセイ、経済書を中心に日々こつこつ。積読との戦い。

川上未映子「愛の夢とか」

「アイスクリーム熱」「愛の夢とか」が軽めだったので油断していたら、ヘビー級がうしろにたくさん控えていた、そんな本でした。詩に近い小説。起承転結を求める人には向かない。

 

「お花畑自身」は自分の家と庭を愛情を傾けて作り上げた主婦が静かに狂っていく話。夫の事業が失敗して、家と庭を手放さなければならなくなってしまう。

そんな中、年若い女がまるごと買うという。現実を受け入れることができない主婦は家のストーカー化していく。

そんなある日、年若い女についに通報されそうになり、そこで提案された案がふつうの人ならとても受けないが、この主婦なら受けても違和感を感じないから、これまで狂気の淵を歩いていたことをあらためて実感。

 

そうよ、みて、あれはわたしが作った庭、わたしが育てあげた花たち、わたしがつくりあげたあれはわたしの家なのだもの。お金とか土地とか権利とかそういうことじゃなくて、そういうことじゃなくて、あれはわたしの家なのだもの。所有権とか売却とか法律とかそんなこととはべつに、そういうかたくてこわいものごととはべつに、あそこにあるのはどうしたってわたしの家なんだもの。

 

 

 

愛の夢とか (講談社文庫)
川上 未映子
講談社 (2016-04-15)
売り上げランキング: 226,382