tunamayoの日記

小説、エッセイ、経済書を中心に日々こつこつ。積読との戦い。

夏目漱石「明暗」

津田とお延は一見して仲むつまじい新婚夫婦。

の陰にちらつく、津田の昔の恋人の存在(清子)。

常に逆上ぎみの妹、お秀や勤め先の上司の奥さまである吉川夫人。

お延だけが清子のことを知らず、悪意ある吹聴で不信感を募らせていく。

 

いちばん黒幕っぽいのは吉川夫人。津田にすでに人妻である清子と再会するよう

あれこれ手配したりそそのかしたりで、大変グレーな人物。

 

お延の性格の強さが前面に出て”明"の論理で進んでくのですが、きっと後半で

”暗”の方の津田と清子サイドの話が読めたはずなんだろうなぁ。

未完って切ない。

 

お延の説く、結婚が≒就職の発想で発想でこわい。

 

「誰でも構わないのよ。ただ自分でこうと思い込んだ人を愛するのよ。

そうして是非その人に自分を愛させるのよ」

 

これがエゴイズムのひとつの出口なのかと思ったり。

 

のらりくらりとした身のかわし方をする清子に心が持ってかれたまま、温泉宿の

シーンは終わってしまう。

 

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