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tunamayoの日記

小説、エッセイ、経済書を中心に日々こつこつ。積読との戦い。

夏目漱石「こころ」

小説

読みやすくて、そのことにいちばん驚いた。

後期三部作「彼岸過迄」「行人」「こころ」と順に読んでいったところ、

断トツの入りやすさ。移動のおともによい感じ。

 

先生とKと奥さんの三角関係の話だと思っていた。

そして先生とKには何か特別な結びつきがあるのだと。

 

読んでみると、人間関係よりエゴイズムが主軸に思えた。

あくまでも、親友Kや奥さんは先生のこころを映す鏡に過ぎなくて

互いのこころが交差することはない。

先生のことを慕い、手紙の受け取り手となる「私」という大学生についても

シビアな目で見通していて、一定の距離を置いている。

 

若かりし時のエゴイズムが生んだ罪の意識から逃れることもできなくて、苦しみに

終わりがないことが先生の手紙から伝わってくる。

 

p.290

世間はどうあろうともこのおれはりっぱな人間だという信念がどこかにあったのです。

それがKのためにみごとに破壊されてしまって、自分もあの叔父と同じ人間だと

意識した時、わたしは急にふらふらしました。ひとに愛想を尽かした私は、自分にも

愛想を尽かして動けなくなったのです。

 

自分のプライドを守ろうとしてとっさに取った行動が、そのプライドを粉々に砕いてしまうことになる。

 

苦しみ続ける先生の誠実さはとても価値あるものに思えるのだけど。

 

もっかい読みます。

 

 

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