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tunamayoの日記

小説、エッセイ、経済書を中心に日々こつこつ。積読との戦い。

上橋菜穂子「獣の奏者 Ⅵ完結編」

甘くないファンタジー。
大人が読んでも、すっと入っていける。
 
抱える問題は現代と地続きだけど、空を飛び群れで行動する王獣や蛇を飼っている岩屋、野花がこぼれ咲く山あいなど、ここではないどこかの景色がただ美しい。
 
ゲド戦記のように光と闇を同じ分量で割り当てていて、ストーリーの強さの柱なんだろうなぁ。
 
甘さは、「外伝 刹那」にて。エリンとイアルのなれ初めやエサル師の若き日の初恋のはなし。
 
ここまで5冊読んでついに物語の〆が読めるというワクワク感がどわっと。
読み終わるのがもったいないと思いつつ、先が知りたくてどんどんページをめくった。
 
主人公のエリンの志を息子ジェシが受け継ぐ。王獣と闘蛇がぶつかりあうと、いったい何が起こるのか?
遠い昔の歴史の惨劇が繰り返されたとき、国の形はどう変わるのか?
 
p.478 
手渡していったこの小さな火が、大きな光になる日が訪れるのか、それはわからない。
けれど、知ることで、人は考える。試行錯誤をくり返しながら、人という獣の群れは、滔々と流れる大河のように、その生をつないでいくのだろう。

 

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