BOOK&

小説、エッセイ、たまに哲学。マイペースに読み進めてます。

「スッタニパータ 釈尊のことば」

自己を苦しめず、他人を傷つけない言葉のみを語れ。これこそがよい言葉である それぞれ自らの宗派の宗教的ドグマにいつまでもとらわれつづけていて、相互に対立する立場に固執し、それぞれ別々に「われこそは権威者である」と宣言している。「われわれが言う…

「東京R不動産」

リノベーションしたおうちが写真とともに紹介されている。 東京R不動産が実際に手がけたプロジェクトばかり。 開放感あるオフィスでみんなでわいわい仕事できる環境とかすてきだなぁ。デザインや専門職ってほんと強みがあっていいなぁと。うらやましさを抱き…

カミュ「ペスト」

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条…

いとうせいこう「想像ラジオ」

こんばんは。 あるいはおはよう。 もしくはこんにちは。 想像ラジオです。 こういうある種アイマイな挨拶から始まるのも、この番組は昼夜を問わずあなたの想像力の中でだけオンエアされるからで、月が銀色に渋く輝く夜にそのままゴールデンタイムの放送を聴…

ゲルハルト・エルンスト「哲学のきほん 七日間の特別講義」

月曜日 どう生きていくか? 火曜日 他人とどう生きていくか? 水曜日 道徳にはどれほどの客観性があるのか? 木曜日 何を知ることができるのか? 金曜日 世界には何が存在するのか? 土曜日 哲学とは何か? 日曜日 哲学は何のためにあるのか? 哲学のきほん─…

オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」

まじめな小説でした。19世紀の小説とは思えないフレッシュさ。 もちろん、取り巻く景色はロンドンの社交界とか阿片窟とかで古いのだけどその心はほぼ現代人と同じ。 美貌の青年、ドリアン・グレイがヘンリー卿という年上の大人に感化されてどんどん悪い人間…

リチャード・パワーズ「幸福の遺伝子」

"彼女が幸せなのは遺伝子のせい?” 難民にも関わらず、どんな時でもポジティブで喜びにあふれたタッサ。 アメリカの大学で臨時講師として働くラッセルが目の当たりにする、 関わる人すべてに伝染していく幸せの驚異的なパワー。 ふとしたきっかけから、メデ…

遠藤周作「海と毒薬」

戦後、F市の大学病院で行われた外国人捕虜の生体解剖実験。 罰はあれども、罪はあったのだろうか、と問う。 凄惨な医療現場を描くのかと思ってびくびくしながら読むも、肝心の実験はあっけなく終わる。実験から年月が流れたあとの東京郊外から始まり、関わ…

川上未映子×穂村弘「たましいのふたりごと」

絵になるおふたり。 「しゃぼん玉」「自己愛」「晩年」「エゴサーチ」などのお題をもとに自由に 話す。 いきなり「1.打擲」(ちょうちゃく)から始まり、自由な空気が醸されておりました。 川上未映子が攻めで穂村弘が受けの卓球を見てるような対談(笑) 「…

「物語と挿絵で楽しむ聖書」

とてもわかりやすい~ 挿絵も少し現実離れしていてわけのわからないことが次々起こる聖書の世界と合っていた。 旧約聖書と新約聖書ってこんなに違うんだとか、最後の晩餐では、椅子に座るスタイルじゃなくてみんなで横向きに床に寝そべって円形になるのが当…

森達也「神さまって何?」

自分が死ぬことを知ってしまったから、人は宗教を必要とする。 しかし、これは容易に転換する。 死への恐怖を和らげる宗教のシステムが時として生から死へのハードルを下げてしまう場合がある。 というメッセージに、テロを起こす側の気持ちが100分の1くらい…

白川密成「ボクは坊さん」

ゆるりとした空気感のお坊さんが表紙の仏教エッセイ。 世界で唯一の密教学科のある高野山大学で学び、 四国で祖父のお寺(栄福寺)を継いだ白川さん。 生活と地続きのものとして仏教を落とし込んでいく実践的姿勢にしびれた。地元書店に新卒入社した経歴も異…

大野更紗「困ってるひと」

大学院女子の難病エッセイ。なのに笑える。 元気な体がある以上、できることは日々後悔なくしてゆこうと強く思った。 大学院に進み、ミャンマーの難民問題について本格的に取り組もうとした矢先に免疫系の難病を突然発症。自身が難民化するということについ…

藤田晋 見城徹「憂鬱でなければ仕事じゃない」

幻冬舎社長の見城氏の言葉にサイバーエージェント社長の藤田氏が解説をつけるという形式。この解説のおかげで一般人のわたしにも見城氏の言わんとすることが理解できた。 仕事ばりばりしたい働き盛りの男性向けですね。 狙ったら逃がさない肉食獣のような姿…

遠藤周作「沈黙」

”最後の2行のためにこの小説はある” と、知り合いの方から激しくすすめられ手に取った。 映画化のタイミングで品薄につき、書店をはしごして見つけた。 「強い者より弱い者が苦しまなかったと誰が断言できよう」というロドリゴ司祭(比較的強いサイド)と弱…

角田光代「紙の月」

おもしろかった。 わかば銀行の支店で契約社員の女性が約1億円を横領。 というニュースが出て、当の梅澤梨花は行方不明。 社会を騒がせる横領事件と人のお金を自分の口座に移す自然さとのギャップ。 大学生の光太と出会ってしまったことで、横領に手を染めて…

瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」

帯に「20代が生き残るための思考法!!」とあって、 先日30代入りしたことから一瞬迷ったけど読んでみた。 橘玲っぽくダークな真実を暴く書かと思ったら全然そんなことなく、率直に資本主義の暗黙のルールを語ったものだった。何歳でも読んで損はないと思う…

原研哉「デザインのめざめ」

短いながら深い見識に裏打ちされていて、ミニマリズムを地でいくエッセイ集。 デザイン考察に興味がある方には同じく原研哉さんの「デザインのデザイン」もおすすめです。 以下、印象に残ったもの。 「割れしいたけの実力」 無印良品がプロ野球チームを持つ…

綿矢りさ「夢を与える」

すとんと足を踏み外したかのようなターニングポイントが ぱっと見、健全そうなこの小説にも用意されていた。 綿矢りささん、ほんとうまい。起承転結の"転結"の曲がり方がすごい。 芸能界に身を置きながら変に染まることなく、周りの大人やマネージャーでもあ…

「恋の聖地―そこは最後の恋に出会う場所」

なんとはなしに甘い小説が読みたくて衝動買い。 全国各地にある「恋人の聖地」を舞台にしているらしい。 窪美澄「たゆたう ひかり」は、親も病気になってしまう年頃になったんだなぁとしんみり。淡い恋もほのかに発光して救いに。 三浦しをん「聖域の火」は…

ベン・ホロウィッツ「HARD THINGS」

CEOって何て大変なんだろうという月並みな感想と、ただ会社に文句を言える立場というのは気楽なことなんだと気づける本。 ホロウィッツ自身が直面した困難(HARD THINGS)を語る本。起業家、CEOを経て現在はシリコンバレー拠点のベンチャーキャピタルを運営…

冲方丁「天地明察」

読み応えのある時代小説で、本屋大賞受賞作(2010年)、さすが。 碁打ちにして暦法家の渋川春海の人生を丁寧に追ったお話。 情熱大陸の取材のような密着度でドキュメンタリーを長回しで見ている感覚だった。 日本独自の暦が生まれるまでを江戸幕府の勢力図と…

「孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか」

孤独ってつらい。 でも人とつながろうとする動きにつながる感情で、そうやって人は遺伝子を残し、社会生活を送ってきたという。すっきり。 アメリカの中高年も孤独なんだなー。 科学書ではあるので、アメリカ人のアンケートだけでなく、サル・チンパンジーの…

眞木準編「ひとつ上のプレゼン。」

人前でしゃべるのが苦手で、憧れのあまり逆に スティーブ・ジョブズの映像から遠ざかるという。 会社や読書会でもっと明るく楽しそうに要点を伝えたいと悶々。 で、この本は書いている方の肩書から薄々そんな気はしてたけど、広告業界の本! プレゼンってほ…

エドワード・レルフ「場所の現象学」

人からのすすめがなければ、一生読まなかったであろう本(笑) 赤羽の立ち飲みおでん屋さんと同じ。 現代ではお店に一歩入ればどこの土地でも同じ店内のイオン、実際の地理的環境とは無関係な歴史や神話から不条理に合成されたテーマパーク(ディズニー化)…

ヘミングウェイ「移動祝祭日」

ちょうど、旅に行く前のこと~ 神楽坂のかもめブックスさんで見つけた本。 土曜文庫っていう名前も、黄色の装丁もめずらしく わくわくした。 さて、肝心の内容は、ヘミングウェイの修業時代のパリ暮らしに ついてでした。 エッセイのように思えるのだけど、…

綿矢りさ「しょうがの味は熱い」

・でも愛と相性は別なのかもしれません。 ・ほんとに合っている二人ならもっと、自然に、とてもスムーズに、結婚まで至るものなんだ。 いや、もうこれに尽きる小説だった。 2行目はお父さんの怒りコメントの一部なんだけどもう的を射すぎていて、うんうんと…

原田マハ「独立記念日」

昨日までの私にサヨナラできる一冊 24のお話が入っている短編集。 ほっこりからシリアスまで。 タイトルの可愛さで油断して読むと、危険。 「月とパンケーキ」でいきなり切ない。 切ない方が幸せ一色より話を覚えていられるのがふしぎ。 独立っていうのは自…

原田マハ「本日は、お日柄もよく」

OLニノ宮こと葉がスピーチライターとして一人前になっていく奮闘記。 恋すれどもそれも仕事の燃料にしつつ、という仕事純度100%なストーリー。 タイトルからウェディングが中心かなって勝手に思い込んで買ったので、事前イメージとは違った。こと葉に任され…

東野圭吾「容疑者Xの献身」

直木賞受賞作。 黒一色の背景に一輪の赤いバラ、読み終えた後にふと見ると読後感とすっと重なって切なくなった。 狭い範囲の人間関係が舞台なのに、誰もが思っていた行き先と違う線路にいつの間にか切り替わっている。トリックのスリルが秀逸。2時間ドラマの…